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    『物語としての家族』(1992)マイケル・ホワイト/デビット・エプストン著、小森康永訳、金剛出版

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      ナラティブ・セラピーの推進者として知られるホワイトとエプストン。「問題の外在化」や手紙を活用したセラピープロセスの物語化など、ユニークです。二人とも研究者であるとともに実践家なので、本書には豊富な事例が紹介されています。手紙を活用した事例では、「ちょっと踏み込み過ぎ(解釈し過ぎ)なのではないかな」と心配になるものもありますが、実効性が証明されているということでしょう。

       

      私自身の経験で言えば、中学生時代に不登校の同級生に手紙を書いたことがあり、彼が一時的ではありましたが登校し始めた際、その手紙を受け取ったことが学校に行く何らかの誘引になったことを口にしてくれたことがありました。

       

      ホワイトとエプストンは、「手紙は症例記録の代わりとなる」と述べています。それは「治療に参加する全ての人々の共有の財産となる」と。この問題提起は、心理臨床現場で発生する「記録」が誰の者なのか、というより根源的な問いにも繋がる興味深いものです。心理臨床家が記録を作成する際、後の開示を想定しクライエント目線に立つことの必要性が論じられることがあります。「誰にでも見せられる共有されたダイアローグ」としての手紙が「症例記録の代わりとなる」ということから一つのヒントを得たような気がします。

       

      「問題の外在化」は、問題に対する犯人探しに費やす労力を少なくし、「問題解決の試みにも関わらず存続する問題のために、多くの人々がもつに至った不全感を帳消しに」するために大変有効です。

       

      私が企業のマネジメントとして働いていたとき、問題に対する責任の所在を追及するよりも解決先を関係者で話し合うことを優先するアプローチを取っていました。それは企業の地力を育むことに繋がっていたと自負しています。

       

      ところで、「問題の外在化」の有効性が論じられている部分で、解決志向ブリーフ・セラピーとの類似性を感じました。解決志向ブリーフ・セラピーは問題ではなく解決策のみを焦点化することや認知よりも行動を重視する点でナラティブ・セラピーとは異なりますが、両者がともに家族療法に関わる試行錯誤から生まれていることもあり、リソース探しやコンプリメント(具体的な事実に基づいて褒めること)と同じようなアプローチが本書の事例に見られます。

       

      関連記事:解決志向ブリーフ・セラピー 

      http://kokoropeace.jugem.jp/?eid=25

       

       

      (2019年10月16日)


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